KENWOODラジカセ MDX-F1のパワードスピーカー化

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(2015.3.29)
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1.はじめに

 CDプレーヤーの調子が悪くてお蔵入りになっているKENWOODのラジカセMDX-F1がある。このラジカセは結構いい音で鳴っていたのでスピーカを取り外してちゃんとした箱に入れてやればいい音がでるのではないかと考え、スピーカーを取り外すことにした。
 苦労してやっとスピーカーを取り外したがスピーカーのフレームが折れ曲がっており、普通の箱には取り付けることができない。どうもラジカセ専用に作られたスピーカーのようだ。
 仕方がないので元のラジカセに戻し、単なる携帯可能なスピーカBOXとして使うことにした。

KENWOOD SPEAKER KENWOOD SPEAKER

2.スピーカー端子を取り付け

 とりあえず吸音材を入れ、以下写真のとおりスピーカー端子を取り付ける。これで組み立てれば一応スピーカーBOXとしては完成。
 Lepaiにつないで音出ししてみると低音はさすがにちょっと物足りないが、まあまあの音。

〔吸音材を入れた〕 〔SP端子の取り付け〕

3.アンプ内蔵のパワードスピーカーに計画変更

 これを使うには外付けのアンプとACアダプタが必要になり、持ち運び用としてはちょっと不便。
 左右のスピーカーの間は無駄にスペースが空いているのでこのスペースにアンプと電源を入れれば持ち運びに便利ではないか。
 電源トランスは手持ちの6.3v x2=12.6Vのものがあるのでこれを使うとしよう。想定出力電流800mA。これをダイオードブリッジで整流すると16VくらいのDC電圧が得られるはず。

4.アンプの選定

 小出力のデジタルアンプをネットで探したところヤフオクでPAM8403というICを利用した3W +3Wものが220円で出ていたので早速落札。
 届いた物を見てその小ささにびっくり。吹けば飛びそうに小さい。これで3W +3Wとは信じられない。

5.DC-DCコンバータの購入

 コンデンサで平滑しただけの電源をアンプにつなぐつもりでいたが、PAM8403のデータシートを見ると最大電圧が5.5VとなっているのでDC-DCコンバータをつなぐことにした。
 ネットで探すとamazonであった!。出力電圧可変、電流3A、型番明記なし、商品説明の日本語が意味不明の中国製、ケーブルアセンブリ付きで360円。中国からの発送で送料無料とは驚き。
 裏面のパターンは放熱を兼ねているようだ。取り付け穴のまわりのパターンが絶縁されていないのは取り付け用のスペーサからの放熱も期待しているのだろう。スペーサには真鍮製のものを使うことにする。

6.電源回路

 回路図は以下の図のとおり。
 ・ダイオードブリッジと2200μFのコンデンサはラジカセの基板から取り外したもの。
 ・DC-DCコンバータ出力側の0.1μFは手持ちのセラミックコンデンサで、スイッチングノイズの軽減を期待。
 ・1000μFの電解コンデンサもラジカセから取り外したものでこれはアンプ基板側に取り付ける。  

7.アンプ基板

 アンプは小さすぎて扱いに不便なので、ひとまわり大きな基板に厚めの両面テープで貼り付けた。
 入出力端子は直接ハンダ付けすると後々の修正が面倒なのでピンヘッダを立てた。2Pコネクタ付きケーブルで他とつなぐ。
 AUDIO入力はGND共通の3端子だが、GNDを分離して4端子とした。
 老眼のため細かなハンダ付けはきついので、一部ラッピングで結線している。  

8.基板の配置と結線

 基板間および基板と他の部品間の結線は取り外しを容易にするためにハンダ付けはせず、コネクタでつなぐことにした。
 音声入力も入力端子からボリュームまでの結線を途中で分離できるようにした。これにはむかし手作りしたオーディオケーブル延長用のケーブルがあり、それを途中で切断して使用した。
 スピーカー出力端子はもともと付いていたアンテナ接続用の端子をそのまま使うことにした。4端子なのでちょうどよい。内蔵スピーカーとは項2で取り付けたスピーカー端子とケーブルで接続するが、もちろん外部スピーカーを接続することもできる。

9.フロント側

 フロント側は電源SWとボリュームの取り付けである。
 電源SWはこれも手持ちのものを利用した。手持ちのものを利用してなるべくお金は掛けない方針。
 ボリュームは50kΩのものをもともとのボリューム位置に取り付けた。パネルが厚くて取り付けができず、彫刻刀で樹脂を薄く削った。また裏の基板もボリュームが当たるので切り取った。
 ちなみにパネルにはもとのボタンをそのまま取り付けたが当然すべて飾りである。取り去ると穴だらけになってみっともない。
 さてボリュームつまみだがこれも物置を探したらあったあった。当てはめてみたらジャストフィット、デザインもオリジナルより高級感があってよい。むかし買っておいたのはこのためだったのかと思うほど。
 パワーインジケータは電源SW内蔵の緑LEDを使ってみたが、ボヤーっと光ってはっきりしない。そこでオリジナルの基板に付いている赤LEDを利用した。


〔元々付いているLEDを利用する〕

10.組立て

 先に書いたようにハンダ付けの必要はない。ワクワクしながらコネクタをつなぐ。
 アンプ基板に5V電圧を供給する前に電圧のチェックと調整をする。
 ブリッジ整流後の電圧は15V。ちょっと低いと思ったのでブリッジダイオードの規格を調べてみると、順電圧は1.05Vとなっていた。2個直列だから2.1V。AC12.6Vを整流するとピーク電圧は17.6Vになるので納得。
 つぎにDC-DCコンバータの出力を5Vぴったりに調整してからアンプ基板に接続する。

11.火入れ

 ボリュームを0にして電源SWオン。ボッとポップノイズが出る。まあ何の対策もしていないのでやむを得ないが。
 ボリュームを上げていくと音出ました!。高音はきれい、低音はラジカセなのでそれなりの音。吹けば飛ぶよなちっちゃなアンプでよく出るものだ。
 赤のパワーLEDもしっかり輝いている。(写真ではよく見えないけどいい気分)



 試しに外付けのバックロードホーンをつないでみると低音もバッチリ。Lepai、YAMAHAと遜色ない音がする。いや極めてきれいな音が出る。
 つぎはこのICを使った単体のアンプを作りたくなった。
(完)

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